ベニヤ合板万能時代の憂鬱

ベニヤ合板の成れの果て。
集積材としてのベニヤ板は、【構造上強い】・【加工がラク】・【施工が早い】・【低価格におさまる】という利点から、かなり以前から、建築業界では多用され、現在ではそれが当たり前の前提になっていますが、良い点は認めつつ、10数年前からずっと、お客様の将来を考えると、心配で心配でならないデメリットも予測していました。
サラリーマン時代に、だいぶ意見しましたが、社会の流れには敵いませんでした。

上記写真状態になる前の、洗面脱衣室のフローリング床。

このフローリングも、現在ほとんどのものが集積材ベニヤの上に薄い突き板や、
細粉化したものを固めたMDFという部材に木目・大理石柄をプリントしたシートを貼った材料が大勢を占めています。

ボンドとフィニッシュ(釘)を併用して、先述写真の捨て張り合板(これは厚み24㎜)に、張りつめていきます。

結局、もとの合板はパテ処理では間に合わず、張り替えました。

ノミとゲンノウで一生懸命、フローリングを剥がして下さった大工さん、お疲れ様でした。

捨て張り合板、水平構面で強度を確保しやすく、床鳴り等のクレームの出にくい、ネダレス工法が主流になり、合板も21㎜、24㎜が一般的となりましたが、10数年後、20数年後に、床の張り替えが発生した際に、このような問題が表出し、お客様にその負担が乗っかることは明らかです。

今回は追加の金額を、お客様に出したくなかったのでこちらで負担しました。

今後、新築は当然、リフォーム時にも、かねてからの心配を、心配で終わらせないためにも、当社ならではの工法を次回からお薦めしていこうと考えております。

ちなみに、合板の強度は初期が最大で、経年変化と共に落ちていきます。集成材の柱も一緒です。ホルマリン対策がされているとは言え、ホルマリン0はなかなかなく、VOCも住宅に関しては大きな規制が無い状態。 ⇒ 小川名輝明家は、今の家に入居後、シックハウスでかなり悩まされました。

無垢材は、反り、ねじれ、すきなどがありますが(特に乾燥が上手くされていない)、強度面では年々強くなることは事実です。さらに、経年劣化ではなく【味】が出てくるのも事実です。扱い方にもよりますが。