メンテナンス費用のかさむ メーカーオリジナル部材

ハウスメーカー、年間数百棟を手掛けている会社様では、より原価を安くするため、差別化を図るためなどの理由から、それぞれの部材メーカーと協力してオリジナル部材を使っている会社が多く見受けられます。
また、その後のメンテナンスを【20年間保証】【35年間保証】などで、自社グループへの囲み込みが多く見受けられますが、つまりは、10年後の点検後がポイントで、メンテ推奨箇所を指摘・見積り提出し、その会社で施工しなければ、その後の保証は消えてしまうというパターンが多いようです。
その見積りが安ければ良いのですが、見せていただくと、我々からすると、驚く金額。
それでも、ブランド力を選ぶ方が多いのも事実ですが。

中塗り・上塗りの塗装前に、高圧洗浄後、シーラーという接着剤・下地調整剤を塗りこんでいきますが、このデザインALCは、凹凸が激しいため、エクボ部にシーラーが入りにくく、かなり手間を掛けます。

中塗り・上塗りも同様で、
塗装屋さんも気を使ってくれていますが、中間検査・完成検査時に、私達が、いやらしいほど良く確認すると、塗り損じ(あとからエクボ部の空気泡が壊れて、色が塗れてない状態となりやすい)が多くあるので、たくさんの手直し。

ALCなので、地震等の揺れで、すぐにクラック(ヒビ)が入りやすい性質のため、すべて直し、特に、開口部(サッシ廻り等)は、ご覧のように、もうすぐ壁自体が剥離する寸前。(こういう箇所がおおくあります)

ALC補修材で、整形し直します。

この建物だけで、補修材を10袋以上使用しました。

このALCパネルはやはり特殊品で、かなり大版のもののため、コーキングの打ち替え長さはかなり少なかったですが(一般は、60センチごとにコーキング)、ALCの動きを考慮してか、かなり太めのコーキング。その分、劣化してコーキングとALCのジョイント部の隙間が多くありました。

ここでは、内部の壁と、外部の壁とが同一部材で、仕上がっているので、仮に雨水が入ると、即雨漏り。
実際に数度雨漏りしていたらしい。

破風板部(後でアンテナ指示金物を取ったため、既存の色と、新規の色の差が分かりやすい)は、
新築時は見た目の良い、塩ビシート鋼板ですが、これが災いして、塗装しても塩ビシートが剥離してくるおそれがあるため、塗装屋さんは塗りたがらない部材ですが、色々と材料を検討したうえで塗装しました。

アイボリーの換気フードも、取替えさせていただくことになりましたが・・・

私達で、取替え用と思いましたが、少々形状が変だなと思い、撤去してからどうにもならない状態になると、住んでいる方に迷惑が掛かるので、安心を見て電気屋さんに急遽見ていただいたところ、
『これは、かなり特殊な形状・寸法ですね。』
さらに新規フードを取付け時に、
『ここの水切り部材、変な形状をしていて邪魔なので、サンダーで、切り落としますよ。新規の換気扇に水切りが付いているので問題ありませんが』

で、何とか取付け出来ました。
一般的に流通している部材との大きさも違うため、ビスを揉むためのメス側のチリが無さすぎて、かなり苦労されていました。

軒裏から出ている、天井換気フードも寸法が特殊でした。

さらに、取り外してみると、ダクトは潰れているは、切れているは、フードと繋がっていないはで、軒裏に少し排気が漏れていたようです。


寸足らずだったので、新たなスパイラルダクトを持ってきてもらい、(本当は室内側からやり替えたかったのですが、梁部が狭いようで、ダクトを潰してまで入れ込んであったので、それを直すには大掛かりになってしまうので、取替えは諦め)、ジョイントしながら。

こんな感じで、上手く接続・とめていただきましたが、一般流通品と違うため苦労されていました。

お客様からご紹介いただいた電気屋さんだったので、嫌がらずに必死にやってくれましたが、普通なら『これ、やりたくないよ』と言われるようなしろものでした。

やはり、一般流通のものがいいですね。