サービスで、にわか左官屋に

塗装替えの現地調査をしている際に、基礎の刷毛引き部分が割れてしまい、一部剥がれているのを見て、

『私がやる左官もどきだから、サービスで直しておきますよ』

あっ、しょっちゅう言う、安易な言葉が。


基礎本体から浮いている箇所を、ハンマーでたたいて、剥がす作業。

案外と厚塗りしてあるんだな~。

ちゃんと、モルタルが付くか、少しだけ心配になってきました。

でも、この範囲なら・・・、

防犯砂利を脇に移動して、基礎の土を掘り返し、剥離部を掃除。

水平部ならまだしも、鉛直部で、基礎が硬化しきっているので、水だけでは、重力に負けてモルタルが落ちそうなので、ハイモルエマルジョン。

左官屋さんではなく、繋ぎ目に自信が無いので、マスキングしてみました。

ハイモルを塗布。

案外と量が少なかったので、モルタル練り用の舟はご退場いただき、このバケツで、手練り。

小川生花店で、この生花用バケツをいただき、普通のバケツよりも丈夫で、小振りなので、緑のプロ用は、脇に置いたままで、愛用しています。

気分は左官屋さん。

購入してから、1年半で、やっとコテ板を使うこととなりましたが、残念なことに、乾いた状態では、モルタルの水分をどんどん吸い取ってしまう。急いで、少し刷毛で濡らしました。

何となく、それっぽいかな。

良かった。食いついている。

だいぶ塗れましたが、下にボロボロとモルタルを落としています。

『面白そう・・・』
「やってみなよ」
と、総務部長も、髪を振り乱して。

理容師という職人だけあって、初めて手にした左官ゴテの使い方、案外、様になっていました。

両手を使って作業しましたが、基礎風窓の右側は、左利きで良かった。

新築時よりも、下部まで塗り込んでおきました。

水で少し濡らした刷毛で、『刷毛引き』して、何とか完了。

他に移動しておいた土と、防犯砂利は、すぐには戻せないので、固まったあとに、お客様自身で、セルフ作業していただくことに。

左官で使った道具を、すべて綺麗に水洗い。
少しでも残ると、次回に使い物にならなくなる。

残ったモルタル、トロは、袋に詰めて、固めて産廃処理。

道具を洗った流しを、入念に水洗い、万が一にも配管が詰まって固まらないように、多めに水を流して。

小学生の頃、都岡の自宅の繊維壁、京壁と塗らせてもらい、なかなか上手くいかず、悔しくて泣いていましたが、おかげで、左官に抵抗はなく、機会があれば、また作業したい。

※すごいことに、都岡の家(延床50坪ほど)は、あとで増築されたキッチン・脱衣室以外の内壁は、すべて左官壁。
反抗期に壁を殴って、空いた壁は、自分で直していました。
近頃は、左官の壁が無い家が多く、密かに悲しく感じています。京壁、センイ壁は呼吸してくれ、残響音も適度に吸収し、身体には断然やさしい。土壁・漆喰壁に憧れるオヤジです。

追伸:6日後の本日、再確認させていただきましたが、浮き・剥離なく、無事にしっかり喰い付いていたので、改めて一安心しました。