世界の王貞治、世界のイチロー

深夜、イチローの現役引退を知りました。

『これまで、‟野球・Baseball”をワクワクさせて下さり、誠にありがとうございました。そして、選手生活、お疲れ様でした』


多くの尊敬する野球選手がいる中で、私のなかで絶対的野球人は、王貞治選手でした。
野武士のように、自らの野球道をひたすらに追い続けている、少し猫背で構えて、1本足打法でスタンドに大きなホームランを叩きこんでくれるシーン、大きな空振りをするシーンと、我々ちびっ子野球少年の神様的存在でした。
そして、結果も付いてきて、野球界の絶対的レジェンド、ベーブ・ルースの本塁打記録を抜いた時は、なぜだか涙が溢れました。おそらく、彼が自分に課したプレッシャー、皆がまわりに居ながらも孤独な闘いをし続けてきた王さんを、子供ながらに感じていたから、さらに泣けたのだと思い返します。結果、868本のホームランという偉業をはたし、まさしく【世界の王】となり、今も次世代の憧れ・夢として、君臨し続けてくれている。

そして、イチローが、王貞治選手に続いて、【世界のイチロー】として、歴史に確実に刻まれた。
彼のストイックなまでの野球道は、王選手の生きざまを彷彿させるものであり、また、何でも打てる上に、チームのために、足を使って一塁をもぎ取る心意気、守備でも、皆が憧れたレーザービームを筆頭に、何としも取る。アウトを取るという意気込みのプレー一つ一つが、我々の心を打った。数えきれない多くの記録を達成し、日本人のみならず、アメリカ人、野球人を虜にした。結果、4367本の安打を世界記録も樹立してしまった。

プレー中にあまり、喜怒哀楽を目立って出さないイチロー選手が、WBCの時に、他の選手を引っ張るように、鼓舞して、涙して大喜びしていた時はとても印象的でしたが、あれも、彼にとってはチャレンジだったのでしょう。

彼は、王さん同様に、野武士ゆえに、自分の哲学があり、それを求道しているのでしょうが、自分を奮い立たせるかのように、強気な言葉を発したり、伝わりにくい考え方・照れ屋さんなのでしょうね・・あまのじゃくのように、記者からの質問に対して、期待通り(映像的には100点満点)の回答をなかなかしてくれない。

これまで、本当にお疲れ様でした。そして陰で支えた奥様、彼に野球を教えたチチローさん、彼にプロとして開花させた天国の仰木監督、通訳の方、シアトルマリナーズの方々、メジャーリーグへのフロンティア野茂さん、多くの支えられた方々に、勝手ながら感謝致します。彼のことだから、ゆっくりはしていないでしょうが、これまで必死に自分自身と闘ってこられたので、少しだけ現役ならではの緊張がとけましたね。
今後は、日本とアメリカを中心に、野球が大好きな人のために、また常識を壊すような新たなチャレンジをして下さるように思います。

夢を、ありがとうございました。
我々も、あなたから教わった野球を愛し続けます。
イチロー選手様。