頭文字Dは、今さらながら良く描いている

今日は、現地調査で大山阿夫利神社で有名な伊勢原市の西側の、秦野市へ行ってきました。

学生時代は、『死んでもいいや』的に、敢えてノーマルに限りなく近い車で、峠を攻めていました。(今では御法度でしょうが)

ヒルクライム(登りは車の差が出やすい)ではなく、ダウンヒル(下り)で、【撃墜作業】を愉しんでいました。

オジサンになった今は、3台ある軽トラックのキャリーちゃんで充分愉しめますが、かつては最終的にAA63セリカの足回りを固めた仕様で遊んでいました。皆と同じが嫌いな私は、AE86には終に乗りませんでしたが、AE86は、笑ってしまうくらい軽くてバランスが良く面白い車でした。

頭文字Dでの関東制覇の最終戦は、やはり箱根(御殿場側)。
しかも、2日に一度は通っていた長尾峠が舞台なのは、走り込んだが故にすぐに解りました。

そして、その前哨戦では、秦野市のヤビツ峠が登場している。この作者、良く理解しているな。
そう、ヤビツは、狭いながらも低速と中速の組み合わせで高度差があり、トップスピードは100㎞~120㎞h程度は3回ほど出てしまい、下りきる頃には、タイヤはダレるし、ブレーキローターも真っ赤かになり、エンドレスや日立フェロードも効かなくなり、DOT3でもベーパーロック寸前。
このヤビツ峠は、長尾峠の次に面白い下り。ヘッドライトを消してのブラインドアタックも長尾同様に良くやっていた(この時点で壊れていました)。

藤原豆腐店の地元、群馬の榛名(アニメ上は秋名)は、面白く、何度か遠征していました。
秋名の溝落としは、論理的には正しいですが、あれは確か伊香保温泉側とを組み合わせているでしょ。

妙義山は、狭すぎるのと、長尾峠を牛耳る沼津ナンバーと戦っていた長尾峠に比べると、申し訳ないけれど当時は、面倒なほどすぐに追いついて面白くなかった。

一方で、シルエイティーの旧碓氷峠(ドリキンの土屋敬一が、110サニー、KP61スターレットで腕を磨いた場所)を、数度走りましたが、ここの攻略は一筋縄ではいかない。落ち葉が堆積しているこの道路は、余程走り慣れている人間で無くては、怖くて突っ込みきれない。まだまだアクセルの踏み代が残っていたのは、未だに悔しい。

いろは坂も、それなりに車を仕上げないと、最後まで持たない。

頭文字Dの凄さは、たかだか1600ccの4A-G(4.5A-G)で、基本設計の古いAE86ながら、素性の良さを活かせる峠を選んでいる点が深い。箱根峠~三島への国道1号線は、もっとハイスピードになるため、AE86では相手にならない(腕だけではどうにか出来るレベルで無いハイパワーの車で無ければ戦えない)。人馬一体(人車一体)、荷重移動の大切さはよく描けている。走るために生まれてきた以上、走らせてナンボ。それが彼女らへの礼儀。折角、R仕様に生まれていても、アクセルをロクに開けないために、マフラーから、水を撒き散らしてる(不完全燃焼)車が可愛そうでならない。やがてエンジンが廻らないクセが付き、可愛そうな結末へ。

最終章で、長尾峠を選んだのは、作者の経験、下調べ、情報収集能力には、本当に頭が下がります。タクミの親父の持ち込んだインプレッサWRXこそ、当時、このような峠では最速だった点は大いに頷ける。

それはそうと、ヤビツ峠の最速カプチーノの人、今どうしてるのかな?
ブーストアップと最強の足回りで、ダウンヒルで、コーナーごとに近づいてくるヘッドライトに驚きを隠せず、抜かさせましたが、かつてのヤビツでは谷底に落下する箇所がいくつかありましたが、落ちたら死ぬだろう軽自動車で、よくもあれだけアクセルを踏みきっていたと、今でも脳裏に焼き付いています。

よく遊ばしてもらった、FC3S、FD、R32GT-R、S-13、ランエボ、S2000、脅威のシビック、インテグラ、インプレッサと、それぞれの特性を最大限に出し切った際の、峠での特性を良く描いている。
高低差の少ないクローズドでは、違う結果が出るだろう。しかし、【若さ】ゆえの峠での怖いものへの挑戦と、タクミ君の天才ぶりを遺憾なく発揮した名作アニメだと、今さらながらに痛感しております。

私的には、本当はインプレッサWRX、GAZOOのヤリスが欲しいところですが、アクセルが踏めるならば踏み切らないと気が済まない性格の私では、命がいくつあっても足りないので、次は気持ちよく走れる車選びをしたいと考えております。オープンのNCロードスターあたりで、オヤジ的にのんびり愉しみたいな。

それまでは、旧型キャリー(一切改造ゼロ)で充分。・・・本当はクスコを入れたいけど。
これでエンジンがもっと高回転ならば、それはそれでかなりヤバいレディーです。
(近頃、触媒がカラカラ鳴っています。3号車同様に、内部の触媒がどうもスッカラカンになりかけているようです)