この鉄製樋(とい)は、お薦めできないな

現在、外部改修工事をしている建物で、樋を取り換えるため、外しだしたら、かなり劣化していました。

取付け金物を外し、全体的に取り外そうとしたら、途中から、バリバリと折れてしまう。

えっ?

これが、その残骸。

表面を樹脂シート系のもので被膜してありますが、ご覧のように芯材の鉄部がサビサビ。

軒樋(横とい)の水を集めて、竪樋に落とす集水器の箇所は、樋をカットして、取りつけてあるので、その切り口から、どんどん錆が進行していく。

かなり以前に、今は亡き尊敬する板金屋の社長と議論しあったことを思い出しました。樋・スレート瓦ではトップブランドと思わしき、某建材メーカーの樋の件で。
『所詮、切り口から錆びるから・・・』
それからは、使わないようにしていましたが、ここまでではないにしても、やはりお薦めは出来ないかな。

ついでに・・・

ここのスレートはだいぶ年月を経て、どこの商品かはわかりませんが、表面の砂がサラサラ取れて、よく滑ること滑ること。

かつて、その社長が
今はクボタと合併してクボタ系のコロニアルにすべて刷新され、廃盤なので書けますが、
『ナショナル(旧松下電工)のフルベスト20だけは、安いだろうけど、絶対に使わないで下さい。その商品なら、仕事を断ります』と。

よくよく聞くと、板金屋(屋根屋)仲間が、この商品から滑落して、何人か亡くなっているから。
「社長、分かりました。会社自体は安い方を選定してきますが、私の物件に関しては何が何でも使わない。せめてそこからでも、社内で悪者になっても、被害者を増やしたくないから」

優しく皆に慕われていたM社長様、早くして亡くなられ、今も残念でなりませんが、社長の言われていたことを、改めて痛感しました。また、言いつけを守ってきましたよ。
M社長の心意気は、ちゃんと生き続けていますよ。