紙を切るように、ガルバリウムを

かつてはトタン。今はアルミニウムを45%含有したメッキ処理された板金を、ガルバリウム鋼板と呼びます。

こちらでは、既存の雰囲気をあまり壊さずに、悪い箇所を直しながら、化粧直しとのご要望から、かつては良く使われた木目調下見トタン(ガルバ)を外壁に重ね張り中。


それにしても、熟練した板金屋さんには関心させられます。

サクサクと紙を切るように、ガルバリウムを切っていくんです。

そして、このハサミ、このリブ山を切るため専用のもの。

リブの部分に差し掛かると、ハサミの刃が欠きこんでいる箇所に合わせて、事も無げに切っていきます。

元々、左利きで、ハサミコンプレックスを持っている私としては、素直に凄い!と、見えます。
今は左利き用の鋏も出回っていますが、泣きながらも、ハサミ・はし・鉛筆と、矯正してくれた両親に感謝する意味で、このようなものは右利きで通します。

しかし、唯一上手くできないのが、右利き用にこよられた紐。いつもの癖で、左利きで結ぶと、ほどけやすくなってしまうのです。自分の靴ひも、仮設のものは、左利きで結んでいますが、常設のものは、なるべく他の方に依頼しています。

左利きの方は、思い出してください。
和製のコマをワラひもで巻いて、投げても、上手く回らない。
かつては、わらじづくりもさせてもらいましたが、3本の藁を器用にこよっていくことが出来ずに、悔しくて泣いていた。

今は、左利きの人間をそのまま尊重して、西欧圏同様に、そのままで矯正をしていない方が多いですが、どうなんだろうか? 特に書道。
電動工具も、どんどんグリップしやすいような形状になっていますが、ほとんどが右利き用です。
それらを左手で扱うと、かなり危険なものがあります。(緊急時に止まる安全装置が上手く作動しない。下手をすれば指を落としかねない)

でも、この話を大工さんに話したところ、『大工は左利きが、かなり多いよ!』
へえー! 生まれつきの左利きは右脳寄りと言われ、確かに空間能力は高い気がします。

日本では左利きが7%程度と、かなり弱小勢力のため、右利きの方々に合わせる機会が多いです。そして、ちょっとしたことの積み重ねで、実はストレスが溜まりやすいようですが、お互いに頑張っていきましょうね。そして、右利き社会にさりげなく馴染みつつ、ここぞは左を使いましょうね。刀を右で抜かないといけない江戸時代に生まれていなかったことに感謝しましょうね。
(江戸時代の左利きは、苦労したはず。左甚五郎も。木造を作ろうと思い、刃物を購入しようとしましたが、普通のところには無く、仕方なく、大型のカッターでやってみましたが、やはり上手くいかない。そういえば、子供の頃に、鉛筆削り用のナイフで、ザックリ手を切りました。左甚五郎は偉い)