シール工事が分かれ目、鉄骨造の雨漏り

何気なしに、ALC鉄骨造で行われているシール作業。
(シール打替え・シール増し打ち)

実は、塗装工事ではなく、その前に行われるシール(シーリング)工事の良し悪しで、雨漏りが止まるか、今後の雨漏りを防ぐかが、決まってくる極めて重要な作業です。

つまり、根本的に雨漏りを止めるのは、基本的にはシーリング。〈雨漏り建設と街で言われ続けた営業時代に、雨漏りを直してきた経験から学ばせていただきました。また、そういう会社の営業であり、さらにそれから逃げなかったことが、今の私を作ってくれています。皆様に感謝です〉

このようなコンセントボックス一つも、気を許せません。
風当たりが強い箇所を除いては、上部・左右の三方をシールします。下部はあえて、シールしません。理由:万が一に水が入った際に、水の逃げ道を作っておかないといけないため。

このように奥まった箇所に、風に押された雨水が津波のように押し寄せるため、人目に付かない箇所こそしっかりとコーキングします。

しかも、塗装がのりやすいウレタンか、変成シリコンで。

そこそこ大きな会社でも、材料の性質を知らないのか、少しでもケチるのか解りませんが、このような箇所の多くは、いつも通り『シリコンコーキング』でした。それでは、塗膜が乗らないので、ダメなんです。時間の経過と同時に、シール自体を紫外線・風雨から守る役割の塗膜が剥離してしまうのです。つまり、雨漏りの原因となります。

汚水管の貫通部(トイレからの)も、危険です。

ALC(発泡コンクリート)を、甘く見てはいけません。ALC自体が、断熱・耐火・防水の役割をはたしていますが、逆に言えば、ALC100㎜の発泡コンクリートは、内外共に、これだけで、雨水を凌いでいるのです。新築時は安いために、これが多用されますが、極めて繊細な建材です。

ALC自体が、いまだに建築方上の外壁材として、確認申請を降ろしていることに、雨漏りで苦労している建築屋は【?】です。

そして、一番危険なのは、このサッシ部。

窓サッシ周囲は当然です。コーキングを撤去すると、シールためのバックアップ材がありますが、外部と内部とが、貫通している状態です。【増し打ち】ではダメな時が多いのが事実です。

さらに、サッシ本体自体を組み上げているジョイント部からの雨漏りも多い。
今はサッシメーカーとしては機能していませんが、【不二サッシ】の接合部は良くできていました。エンドユーザー様の気が付かない箇所に手間を惜しまなかったためか、メーカーとして地位を降りることとなりましたが、かつての【立山アルミ】【三協アルミ】は、施工側としては安いため、よく使われましたが、『雨漏り』に関しては苦しめられました。
かつてのトステムも、トップライト(天窓)に関しては、世界標準のVELUX(ベルックス)に、追いつけ、追い越せで、たくさん売り出されましたが、当初は、サッシ本体・その周囲の納まり部材で、大変苦しみました。現LIXILは、まだ悩まされていませんが、住宅用サッシで、他社同様に、防火基準を満たすための【データ改ざん】で、施工側と、エンドユーザー様が悩まされたことは、記憶に新しいところです。

つまり、ブランド品だから・・・という考えは、建材・建築部材に関しては、間違った妄想だと考えます。彼らは、自動車会社のように【リコール】をほとんど出さない体質なので。
かつての不二サッシのように、商品に真摯に向かい合っていた会社が、ババを引いています。
(下町ロケットも、まんざらではない思いを受けます)

サッシ部からの雨漏りに関しては、我々が苦労して得たノウハウなので、書きません。

サッシに、後付けで取り付けられた換気フード。

このサッシの障子部と、フード廻りもシール。

やはり、後付けの庇、防水コンセント廻りも。

長年の経験値を培ってきたデキるシール屋さんと、彼らの本領を発揮すべく、当社としては、ケチることなく、作業に相応しいお金を直ぐに支払っている点、また、チェックが厳しい点から、彼らの力は出し切れたと考えております。

職人さんの【手】が良くても、それを活かしきるインフラ整備、時にはこちらも金銭的に泣くことも含み得ないと意味がないと考えます。

【後々まで納得いく仕上げ ≧ 現場の財布】 だと、考える次第です。