ユニットバスに改修する際の浴室解体

築50年弱のタイル施工の立派な在来浴室。

給水・給湯管の漏水緊急修繕から始まりましたが、さすがに、タイルの浴室は冬場は寒く、段差が厳しく、浴槽自体への出入りに関して、将来を考えられて、ユニットバスに模様替えすることに。

床・壁のタイルを、モルタルごと、撤去しだしたら、これでまだ半分以下の量。

半世紀前のタイル屋さんが、如何に頑張っていたか。一方で、ユニットバス化によって、その技を持った職人さんを多数失ってしまったことか。〈当社では、タイル屋さんも、左官屋さんも、大切にしております〉

壁のタイルから、剥がしまくり、私は袋詰め、新人はひたすら搬出係。
お風呂が身近に無い生活から、少しでも早く戻っていただく為に、時間を惜しんで。

天井も撤去し、ほぼスケルトン状態に。

縦に、柱・間柱 横に梁・桁・火打ち 屋根の垂木・野地板も、しっかりと施工してあるのがわかりました。

新設するユニットバスの図面をもとに、所定の位置に排水管を立ち上げていただきつつ、タイル下地用あらし(垂木)を丁寧に撤去していき、

下地の木材だけでも、山盛り。

かつては、多くの日本人がお世話になったステンレス製浴槽も、二つに切って、取り外し。

元々、漏水からの工事なので、ある程度は予測していましたが、水に濡れる箇所は、状態があまり良くなさそう。

モルタルの外壁が落下しないように、慎重に木部を剥がしていきましたが、ご覧のように、土台が完全に腐っていました。ちょっと残念。

一部切断してみると、『ダメだね。シロアリにやられている』

シロアリ、出てくるは、出てくるは。

取り急ぎ、殺虫剤で。
これ以上の拡大を止めるために。

そして、お客様に確認の上、すぐにシロアリ防除業者さんを緊急手配。

取り替える防腐土台・柱・間柱等、一気に取り揃えました。

3寸5分(105㎜角)の柱も、半分以上食べられていました。

もう一方は、柱の下部が完全に無くなっていました。今回の件で、建物構造体の危うさがあらわになり、返って良かったと思います。このまま、放置していたら、危険領域に入っていくところでした。

腐って無くなりかけていた土台を、防虫防腐土台に取り替えて(日本伝統の在来軸組工法ゆえに、簡単に取替えが可能なので、安心です)、

既存の柱を活かしながら、集成材を欠きこんで、それに抱き合わせて、

金物で、柱どうし、土台と、金物を使って強固に固定。

もう一方の柱も同様に。

梁との接合金物は頑丈なものでありながら、今時のBOXプレートなどを使うと、この浴室ばかりが頑強になり過ぎ、建物全体としてのトータルバランスが崩れるので、それはあえて、使わずに。

下部も、同様に頑強過ぎない金物で補強。

この間に、水道屋さん、電気屋さんと入っていただき、ユニットバスの換気乾燥暖房機用のダクトをあらかじめ設置しておいてもらい、

同時に、隣接する洗面脱衣室を改修するために、塗装屋さん・クロス屋さんにも、忙しいなか、見に来ていただき段取りし、

職人さんが忙しくて仕方ないこの時期にも、巧みな連携作業で、間断なく工期を最低限で済むように、ご協力いただいております。

つづく・・・