戸建て住宅で、【界壁・かいへき】チェックはおかしい

お宅の屋根、板金が剥がれていますよ!
外壁のコーキング切れ、塗装替えしないと、雨漏りしますよ!(下地防水がちゃんと施工してあれば、すぐには漏らない)
等、お客様が心配になる心理に付け込む、営業が横行しているようですが(すべて間違っている訳ではない)、
新たな手法も・・・

共同住宅(アパート)の天井裏を覗いて、この写真は、40年ほど前の古い施工ですが、グレーの断熱材のロックウールで隠れている場所に、隣の住戸との間に、
隣の住戸に火が類焼しないため、また防音のために、床の下地(上階では下階から連続して)から天井裏を貫通し、屋根(石膏ボードで覆われて区画されている箇所まで)まで、隙間なく仕切られている壁を、
【界壁・かいへき】と呼びます。

レオ〇レス21で、数年前に界壁が天井裏には、施工されておらずに、社会的問題となりましたが、

その時の記憶を利用しているのか、一戸建ての住宅でお宅の【界壁】をチェックさせて下さいという新手の手法も出ているらしい。

共同住宅(アパート・マンション)・長屋建築(テラスハウス等)では、建築基準法第30条・建築基準法施工例第114条第1項において、【界壁】を義務化しているが、戸建ての一般の住宅においては、見当たらない。

界壁があっても問題はありませんが、天井裏の点検口がその界壁ごとに必要となり、そのブロックごとに、換気システムを考慮した作りならば良いのですが、一般住宅でそれを行うと費用の増加と、予め、換気系統を別系統とした計画にしなければ夏場は暑くて溜まらない。構造計算もやり直さないといけない。(強さが偏ることにより、地震時に全体的な動きが変わるため)

無料と言いながらも、そこを確認されるのは不自然。
また、新築時の施工会社からの申し出でも、何かおかしい。別の狙いがあるかも。
(顧客を囲い込みたいにしても、経営状態が悪いのか、界壁の意味を知らないのか疑ってしまいます)

かつて10年以上前に、営業担当時に、アパート新築時に、小屋裏に界壁がまるで無いことに、建築通なお客様と一緒に驚き、すぐさま、やり替えを指示し再確認し、【界壁】の意味を設計部と工事部に教えたことがありましたが(大丈夫かよ~)、

私が担当した物件で、レオ〇レス21のような事態にならなかった点において、改めて良かったと思ったものでした。

皆様も、そういう言葉には、くれぐれも気を付けて下さい。