床CFシートから、無垢材の床へ

床をCFシート(クッションフロアー)か、合板系フローリングにするかで、皆様良く悩まれますが、

無垢材(無防カビ剤・無防虫剤・国産材)という選択肢も増えつつあります。原点回帰状態が、少数の方々から支持され始めています。

現地調査時に、既存がCFシートの床が、底が抜けそうにブカブカになっていました。

まずは、お客様のお許しを得て、穴を開けて、ファイバースコープで現状確認。

さて、工事が始まりました。

まずは既存のCFシートの剥がしから。

1寸5分(455㎜)ピッチで、荒床の上に根太が流されていましたが、思った以上に合板は写真のように、たわみが大きい。

合板は初期は強いけれど(最新時は強度がMAX)、あとは落ちていくだけ。

ここに、我々建築屋が、『これでいいのかな?』『本当にお客様のためかな?』『近頃のお客様は"本物”を知らないか、忘れかけているのかな?』という疑問を抱きながら、計画・設計・工事をしているのが現実です。

 

ムムム・・・

根太材がおかしい。
どうも、シロアリさんに、食べられた痕跡が。

リフォーム工事では、どうしても避けられない、隠蔽部分の劣化が見つかるときがあります。

とりあえず、元に戻せるように、荒床を丁寧に取り除いてみたところ、

荒床を支える根太材。その下の大引きまで、シロアリさんに食べられていました。

残念です。

と同時に、その日のうちに何とかしたいので、すぐに方針転換して、どのように追加料金を少なく、それでいて丈夫に、将来も安心かを、グルグルと頭を巡らせます。

すぐに、長物の材料を運んできました。
(材木屋さんに依頼しても、すぐに来てくれるか解らないので、近くのホームセンターで木を選びながら購入・お店によってはネジレ・反りが大きすぎて、使えない部材が多い為)

この時、活躍したのは、先日譲ってもらったばかりの軽トラック(2号車)。

この日は2回も、長物の木材を運びました。
(偉い子ちゃんです。もう元が取れた感じです)

今は、シロアリさんも居ませんが、『彼ら、凄いでしょ!』

見えない所で、上手いこと、美味しい部分だけを見つからないように食していきます。

※シロアリは、建物の中だけに住まわれているとお思いでしょうが、実は違います。

庭や外部には、自然に生活しています。
家にとっては、脅威かもしれませんが、彼らが居ることによって、自然界のサイクルが上手く回っていることも事実です。

家が大事ならば、木材・樹木等を、建物から離しましょう。建物際(外壁側)に、材木等を置いておくと、危険値が上がります。

結局、残せたのは、大引きのみでした。

しかも、この大引きですら、シロアリの被害を受けていましたが、これを取替えるとなると、当初の計画と大きく内容が異なってしまう、1日では完成しなくなる。

⇒ よって、これを残しながらを計画練り直し。
こういう時は、瞬間的な判断を要します。指示待ち症候群の方々では、厳しいでしょう。
腹をくくらないと。

これ以上、蝕害されない予防のために、アサヒペンの木材防虫スプレーを噴霧。

シロアリ防除の成分も入っています。

あまり好きではないけれども、防腐剤に漬け込んだ薄緑色の木材を、大引きに高さ調整も兼ねながら、一体化して強度を。

ここで、断熱材を入れるかは、お客様の考え次第です。

はい、独自ルートで依頼しているカラマツの無垢材床、完成です。

T氏が、蜜ロウWAXを塗りながら、

私がそれを拭き取っていく作業。

無垢材の床です。今回はカラマツ。案外とキズが付きにくく、脱脂もしてあるので、油も出にくく、80年ものは、反り・ネジレが少ない優れものです。

ただし、湿気を吸ったり吐いたりできる、天然の生き物ですので、多少はクセがあります。

これに耐えられない方には、お薦め出来ません。
ただし、素足で歩いた時の気持ち良さは、他に変え難く、ぬくもりも、最高です。

小川名建設の都岡店も、早いところ、これにする予定です。