「無垢の木」の使い方

ネコ舌砥石の出張ブログです。

元の外壁がラワンの無垢板張りだったこちらのお宅。
以前の工事の際に施工業者にペンキを塗られてしまいました。
外部の木部なら当然と思われる方も多いのではないでしょうか?

しかし・・・
塗装(特に膜を張る塗料:いわゆるペンキなど)は塗った直後から徐々に劣化していき、
表面にヒビ割れが出てきます。その状態で雨が降ると当然そのヒビから中にしみ込み、
でもその水分は塗膜のおかげで乾くことなく、そうして無垢の木は常に水分に囲まれて
腐っていきます。
なので、一度塗装を施すとその塗膜を守るために更なる塗装、またその次も、その次も・・・
とメンテナンスのスパイラル状態に陥ります。

では外部に晒されている無垢板を長く保たせるためには、どうすれば良いのでしょう?

答えは「乾燥させること」です。
無垢板に雨があたっても、乾いてしまえばすぐに腐るようなことはありません。
お金を払ってわざわざ塗装しなくても、自然に乾くような場所ならば
何もせずそのまま使う「無塗装」の状態が、木にとっては健全であるといえます。

 

ただし、あくまでこれは「長持ちさせる」方法です。
無垢の木は時間が経過すると表面が変色していきます。いつまでも当初のままの色合いではないのです。

こちらの現場で使用した唐松の無垢板も、施工途中では左の写真のように白っぽい色でした。

そしてこちらが完成時。

わずか2週間で赤っぽく変化し、とても綺麗な色合いです。
そしてここから更に数年~数十年かけてゆっくりと灰色になっていきます。

これは唐松に限った変化ではなく、無垢の木は必ず経年により徐々にグレーがかっていきます。
陽当りや雨がかりによって変化の度合いも一律ではありません。
なので、その経年変化の過程で「木が腐ってきている」と勘違いされ、
或いは単純に「見た目が汚い」との理由で塗装されてしまうケースが多いです。

あともう少し我慢すれば、綺麗なグレー一色の落ち着いた雰囲気になるのに!残念!!
小川名の鎌倉探訪ブログにあるように、そういうお宅に出くわすことも多々あります。

経年変化をじっくりと楽しもう!

そんなふうに想って頂けるようであれば、無垢の木は非常に長持ちのする、
環境にもお財布にも優しい、とても優れた素材です。

・ちょっと興味あるけど、実際どこに、どのように使えるの?
・使ってみたいけどメンテナンスが心配・・・

など、無垢の木について色々聞いてみたい! と言う方は遠慮なくお問い合わせください。

砥石