H綱切断、酸素・アセチレンで

解体屋さんによる、H鋼の切断シーン。

鉄骨造のビルの解体も、これの応用。

茶色のアセチレン、黒の酸素ガスを同時に噴出させて、火の力で鉄を溶かして切断します。

数ブロックに分けて、切断していきます。

切断時に倒れないように、フォークで掴みますが、この横顔、何かに似ているなと思ったら、ティラノサウルス・レックスだ。

ちょっと残念なことに、私にも似ている。

ガッツリ、掴みながら、

まずは、曲げモーメントに抵抗するフランジ部から切断。

せん断力に抵抗する役割を果たす、フランジとフランジを結ぶウェブを、超えると、フランジの裏側に強烈な火花。

触ったら、熱いんだろうな。

フランジの片面を切断し終えてから、ウェブ部の切断へ。

鉄の切断の原理は、少々変わっているらしく、鉄(Fe)の融点(溶ける温度)が、1808℃なのに対し、酸化鉄(溶融フラグ)の融点は1642℃。

母体の鉄を溶かす1808℃以上で、切断するのではなく、そこから溶け出した酸化鉄の被膜のなかで、鉄が複雑な現象で酸化鉄の溶融熱に連られるように、母体の鉄が溶けていくようです。つまり酸素が当たっている面は、1642℃以上1808℃以下という考えになる。そこより真っ赤に溶け出した酸化鉄スラグの塊の方が、熱い。

残りのフランジを切断するのではなく、L型アングルのブレス(筋交い)部を、切断。

下方では、飛び散った火花(スラグ)で、火事を引き起こさないために、水撒き。

切断・溶接したあとの3時間ほどは、いつ引火するか分からないので、その場を離れられない。

金属関係は、奥が深いです。

そして、残りのフランジ部を切断し、

先ほど切断していた人間は、労働安全衛生法に基づく【車両系建設機械(解体用)】の資格があるため、重機に乗ってオペレーターに。

(私の持っている車両系建設機械の資格では、解体用のアタッチメントが付いている重機で、仕事は出来ない(ここ最近、建設業と、解体業が、ほぼ完全に分離し、建設業法でいうところの、解体業の免許は普通の建設業では、取得しにくくなりました)

残りの箇所をある程度、切断し終えて、フォークが、稼働し始めました。

完全に引き離され、軽々と吊り上げて、

運搬用コンテナに器用に積み込み。

ちなみに、こちらのお客様、茶色の工場では、普通の鉄とは違う、かなり特異で素材から様々な丈夫な機械部品等を作り上げる、旭区でも名高い企業様です。

木材は当然、金属の無垢材、そしてその加工品に目が輝く私としては、それはそれは感動の連続です。

先ほどまでは赤く高温だった切断面も、すでに熱伝導で、冷えています。

日立建設機械の老朽化した看板も、根元から切断して、コンテナへ。

上段2段を、無事に切り終えました。

鉄骨を積んだコンテナは、大型車に載せられて、ドナドナされていきました。

お疲れ様でした。