『小川名さん、ちょっとマズいことが・・・』
すぐに現場へ行ってみると、塗装屋さんが、【お客様に良かれ】と思って、外壁だけでなく、擁壁・RCの塀を高圧洗浄してくれたのですが、言い忘れていましたが、ここは全て総左官仕上げ(RCの打ちっ放しで、じゃんか・打ち継ぎ目などが、あからさまに出てしまった時に、高いお金を業者が出して、すべて薄塗りの左官仕上げで、RCの打ちっ放しっぽくする技)だったことを。
知らずに、親切心で高圧洗浄をしてくれましたが、すでに剥離しかけていたところも含めて、様々な箇所が剥離してしまいました。
塗装屋さんは、少し落ち込んでいましたが、これはまたとないチャンスと捉え、塗料屋さんに全力で、これをリカバリーできる塗材を探してもらって下さいと。
そこで、登場したのが、IPヨウヘキコート(インターナショナルペイント株式会社製)。
へえー、なんかいい感じじゃん。
こんな塗材、あったんだね。
仕様書をみても、しっかりした雰囲気。
お客様に了承をいただき、まずは試供品で試し塗り。
ライトグレー色で、インターホン横の面だけ塗ってみましたが、カタログサンプルよりも明るく、ホワイト色といった感じ。汚れが目立ちそう。さらに、剥離してしまった凹凸まではカバー出来なかった。
これで、お互いに諦める訳にはいかない。
こうなったら、カチオンで、下地から作り直してみよう!
一手間掛かりますが、失敗を糧に、お客様にお喜びいただくために。
裏側全体も、
こうして、段差を無くすべく、カチオンでほぼ総仕上げ。
そして、IPヨウヘキコート(グレー色)を塗ったところ、かなり綺麗に仕上がってしまいました。
当然、裏面も。
途中で止めてしまうと、かえって美しさが、半減してしまうので、見切りが良い所まですべて。
お客様のお選びいただいた外壁のグリーンと青空に突き抜けるホワイトと、擁壁の色が良い感じに仕上がりました。(手前味噌ですが)
問題が起きないのが一番良いのですが、リフォームでは、様々な要素でお客様の満足度がガタ落ちするケースが多々ありますが、そういう際には、諦めずに何とかあがいてみると、より良い完成と、今後に繋がるノウハウを得ることができます。
だから、私は起きた事態から逃げることはせず、逆にチャンスと捉え、果敢に挑み続けます。