草むしりが大変なので、思い切って土間コン駐車場に

新たに完成した駐車場。

土間コンクリート製駐車場が、硬化しだした後、散水養生した状態(7回ほど)。

コンクリートは本来の強度を発生するまでに、一定の時間を要します。
さらに、気温が高い時(特に夏場)には、表面から乾いてしまい、表面の水和反応(化学反応)が損なわれ、全体的に均一で強度のあるコンクリートに仕上がりません。

そこで、人が乗れるくらいに硬化したあと、朝、夕方に、表面に何度か散水することにより、強度があり、ひび割れ等も少ないコンクリートになります。(風で飛ばされない場所ならば、湿度を保つ養生マットを表面に置くと、さらに良いコンクリートになります)
これを、やらないと、後々、表面で何をやっても、良いコンクリートにはならないので、当社では面倒に思わず、打設後もマメに足を運びます。
冬場は、気温の低下により、逆に表面の熱が逃げてしまい、同様に水和反応を阻害するため、養生マットで、時間を掛けて保温につとめ、当然、生コン発注時に、冬用の配合をしてもらいます。

キウイ、盆栽等を育てていましたが、近頃は朝から晩まで猛暑が続き、熱中症が心配で、これまでのように、ゆっくりと庭いじり、畑作業も ままならいようでした。

雑草取り、キウイ棚撤去のあと、
施工範囲を、土掘削。

掘削残土は、3トン車1台分。

掘削時に土がほぐされ、締め固まっている状態から、約1.2~1.3倍ほどに膨れ、体積が増えます。

型枠を作り、砕石を入れ、転圧してこの日は、ここまで。

この際、問題になり得るのは、写真の道路。
ここは、お客様の私道ですが、奥に住まわれている方々の通行路のため、

その方々への事前連絡、工事中の交通誘導、さらには、S字カーブ形状で、内輪差で乗用車のタイヤが脱輪、コンクリート部へ乗り込まれないような養生をしました。

先ずは、メイン部をコンクリート打設して、のちに、隙間部を埋めていく手法に。

その点、アスファルト舗装駐車場ならば、即日、自動車の通行が可能です。
一方、アスファルト舗装の場合、駐車時の車輪部の凹み、劣化による亀裂等が出やすいため、こちらでは、長持ちするコンクリート製に。

道路側の型枠、いい感じで、カーブを描けました。

土木・外構・新築工事等で、既存の
『境界杭が、無くなってしまった』
『境界杭が、ずれてしまった』
等の、事態を、たまに聞きますが、
境界問題(特に隣地との)は、職方さん方が思っている以上に、極めて繊細な事項なので、

事前に、既存境界と、マンホール等の移動しにくい箇所間の寸法を測っておき、万が一時に、原状回復できるようにしておきます。
図面上の寸法と、今現在の実寸法が、異なる場合は案外と多く、注意が必要ですが、こちらでは、実寸法を優先して、境界杭周囲を保護するように、コンクリートで固定する措置を取りました。
※一度、杭を抜かなければ施工できない場合は、逃げ墨を作っておいて、復旧する際に、状況により、測量士、土地家屋調査士に、杭の種類によっては、依頼する必要があります。
元図面が無い土地・国土調査の成果が無い土地では、私達が神経質に対応しないと、後々お客様・ご家族、近所づきあい等において、支障が生じます。

同時に、塩ビ製の雑排水・雨水枡を、コンクリート仕上り面に合わせて、切り詰め・延長して、高さを調整しておきます。

ワイヤーメッシュを、必要な形状に合わせて切断し、結束線でメッシュどうしを接続。

また、ピンコロ(コンクリート製)を、メッシュが浮くように、下に入れて、メッシュの下にコンクリートが入り込み、鉄筋の細い、鉄筋コンクリート造のような仕上がりになるように配置します。

コンクリート打設ですが、、ミキサー車に、間が開かないように、連続して来てもらいます。

ミキサー車から見て、奥側からコンクリートを入れていき、同時にある程度、均していきます。

ポンプ車(コンクリート圧送車)を入れるほどの量ではないので、手運びでネコで、ベニヤ板の上を通行し、生コンが必要な箇所で、ネコから生コンを降ろします。

※生コンを、ミキサー車の近くで放出し、トンボ等で、引っ張って横移動することは、教科書的には禁止事項です。
生コンの組成が変化し、良質なコンクリートが出来ないそうです。

最初に、コンクリートを打設した箇所が硬化しだすので、次から次へと。
職方さんは、汗だらけですが、時間との勝負のため、ひたすら頑張ります。

コンクリートをミキサーから、そしてネコから降ろすシーン動画。

コンクリート打設の第一段階は、もうじき終わりです。

ちなみに、余る程度に生コンは発注します。
余った生コンは、工場へ持ち帰ってもらいます。処分代が掛かりますが。

生コンは数量を事前に計算しますが、案外と予定通りにはいかず、計算よりも少し多めに量を使う場合が多いです。
後から、発注しても、工場で配合し直す作業、運搬時間を考えると、硬化しだしたコンクリートとの間で、時間が空くことにより、繋ぎ目(ジョイント)が出来てしまうため、多少のロスは、仕方ないと考えます。

※蛇足:サラリーマン時代、私の営業物件で、当時7億円のビルの1階部分の打設に、手伝いとして、ジャンカが出来ないように、木槌で型枠を叩く役として、立ち会いましたが、
既に打設が始まっている中、若手監督が心配していました。聞いてみたところ、
『小川名さん、発注したコンクリートが、ギリギリの数量だったので、多分足りると思うのですが・・・』
「生コン工場が遠く、今、追加発注しないと間に合わないな。俺が責任取るから、発注しなさい」と。
ほぼ強制で、命令しましたが、結果、元の発注量では足りませんでした。追加で使用した量は、0.5㎥程度でしたが、足りなかったことを考えると良かったなと。
ただ、大型で1台分単位での発注と厳しい条件だった為、かなりの量を工場へ返すことにはなりましたが(笑)。
でも、11階建ての1階部分で、後から足りない箇所を補っても、継ぎ目はコールドジョイントとなり、構造計算時の数値と異なるはずなので、今思い返しても怖い経験でした。その後の雨漏りも怖いし。コンクリートを舐めてかかると、非常に怖いです。

僅かな休憩を取って(今回は取れなかった)、表面に水が上がってきて、ブリーディングが収まる頃合いに、水を取り除きながら、勾配、不陸が、均一になるように、木ゴテ均しをしていきます。

その後、コンクリート押さえ作業です。
コンクリートの凝結が始まりだす頃合いに、荒いコテで、叩いたり、力を入れてグルグルと押さえながら、もう一方のコテで、均していきます。不要な水分を追い出し、強度の高いコンクリートを作るための作業です。

見ているだけで、力が入ります。

続けて、さらにもう一度、コンクリート押さえ作業をしながら、刷毛引き仕上げにしていきます。
この時分には、既にコンクリートの硬化が進んでいるので、前回の押さえよりも、大変そうです。

こんな感じで、押さえているシーン動画。

ようやく、コン打設も終了し、奥側にお住いの方々のクルマが通行できるように、コーンと、垂木を利用して、カーブなりに、防護。

数度、足を運び、手で表面を触り、イメージでいうと、足で踏んでも足形が出来ない程度になった3時間後に、散水養生(水打ち・シャワーで)。

猛暑中のため、あり得ないのですが、寒い時期になってくると、養生マット等で覆って、水打ちしておきます。夏場に比べて大分待ちますが。これを怠ると、温かいところが大好きなネコちゃんが、コンクリートの上で暖を取るため、猫の肉球あとが、刻印されます。それはそれで、猫好きには味がありますが、猫嫌いな方には、それを見るたびに、嫌な思いをされるようです。

※よく土間に尻を付けて座る方がいますが、やめられた方がよいです。痔になりやすいからです。所定養生期間はもちろんですが、コンクリートはかなり長い期間をかけて、さらに硬くなっていきます。揮発してくるアルカリ成分があそこに、悪さをするらしい。
そのせいかどうかは分かりませんが、土木屋、建築屋に、大地主(痔主)が、やたら多いように感じます。私が知っているだけでも、相当数が、横浜でその方面では有名な、松島病院さんで手術されています。

こんな感じで、簡易の侵入防止措置。

アスファルト舗装との間に、隙間があるため、通行する方には、ご迷惑をお掛けしました。

時間的に少し早いのですが、通行人の事を考慮して、型枠を外し、
すき間に、マノール急結剤を混ぜたモルタルを入れて、素早く硬化させて、その日のうちに、カラーコーンで防護しました。


この状態で、散水養生を続けながら、コーンを取り除いて、無時に引き渡すことができました。