安いだけでない、屋根重ね葺き工事①

高圧洗浄も終わり、屋根の重ね葺き作業。

これは、人が上がるための梯子ではありません。

ユニパ―という荷揚げ機です。(ユニパ―とは会社名で、当社から車で15分ほどの横浜市都筑区川向町の日本が誇る会社です

この上部を支点に、ウィンチのワイヤーを巻いたり、伸ばしたりして、荷物(屋根材)も上部ステージに荷揚げしてくれます。

ユニパ―を据え付けた頃に、現場を見ていたかのように、商社から、屋根材一式が届きました。

発注依頼した部材に間違いが無いか、受入れ検査。

今回、使用するのは、ニチハの横暖ルーフαSです。

面白いことに、一般的によく採用されている【横暖ルーフS】と、それより上級グレードの【横暖ルーフαS】とは、性能が微妙にちがうのに、定価も同じながら、仕切り値(当社入り値)も同じ?⇒その理由は、あとで解ります。

一緒に頼んだ雪止め、スターター材、ケラバ材等、すべてを確認。

ちなみに、当社の強みは、ケース買いが一般的ななか、必要な数量をばら売りしてもらえるため、安く済み、材料の無駄も無くなります。(ケース買いすると、要らないものがすぐに使われるとは限らないため、一般的には、発生材処分費という名目で、お客様が購入された部材を、新品にもかかわらず、お金を出して捨てる という、非常に勿体ない悪循環)

箱から出し、その部材が発注通りか、確認します。(仮に、違っていた際には、受入れ検査で早く気がつけば、返品し、正確なものを素早く納入してもらえるので)

他の部材も、【受入れ検査】。

こういうことを、ISO取得会社では当たり前にやっているようで・・・、当社は全体的な工程を考えた際に、職人さんを遊ばせる気は無いし引渡しも遅れるし、間違って納品されたものに関しては、直ぐに返品と同時に、如何なる手段を使っても、早急に優先的に発送してもらいます。場合によっては、かつてから、栃木の工場だろうと、群馬の工場だろうと、自らの足を使ってでも、必ず工程的に間に合わせる厳しさ(自分に対しても)で、挑んでおります。お客様に、言い訳を言いながら、謝っている暇があるならば、【目的達成】をしたいという想いが強いからです。

荷揚げに支障が出ないように、【受入れ検査】を行いながら、ユニパ―で2階屋根脇のステージへ、安全重視で、どんどん荷揚げは進みます。

先ずは最上部まで、荷揚げする分を確保し、屋根材自体の品質も梱包材を開けて、チェックします。(建築という業界全体のアバウトさに、案外と疑い深い私は、日頃はフランク大雑把ながら、かなり真剣にチェックの嵐です。職方さんも驚いていますが、それ位に厳しさがないと、後で問題が発生するのも嫌だし、職人さんにやり直しさせる無駄に飽き飽きしているからです)

鍵のかかる駐車場に、荷揚げには早い部材を置かせていただき、

屋根下地のルーフィングは、やはり圧倒的な販売数・安定性の高い㈱田島ルーフィング製を使用。

幾種類もあるルーフィングには、意味があり、今回は、既存コロニアルにニチハの横暖ルーフαSを重ね張りする際に、目的上、相性の良い、タディスセルフを採用。

これは、田島ルーフィング曰く、《貼り直しが可能な遅延粘着型下葺材。貼り付け直後は簡単に剥がせて再び貼り直すことができます。
貼り付け数時間で強固な粘着力と防水効果を発揮します。勾配の緩い屋根や、改修などに最適です。》

謳い文句通り、少しだけ値段は張りますが、施工性が高く、その後の長い安定性にも繋がり、結果としてお互いに安い商品です。

他の会社様の施工現場を確認すると、この商品を使っている現場はあまり見かけません。

よほどの商品でない限り、雨漏りさせないためには、ルーフィングが【命】で、当然、屋根下部(水下)から、ルーフィングを張っていきます。

反対側も、当然下から。

コロニアル面の接着部は、ビニール製のフィルを剥がしながらの施工。

素晴らしいことに、僅かなズレ、弛みが出た際に、私が指摘すると、まだ接着力の弱いこのタディスセルフは、張り直しが可能なのです。

妻部端部(ケラバ部)に少し余裕を持たせて、張りはじめ、(当然水下のルーフィングとの重ね代を、規定以上に確保して)

長手をケチることなく、なるべく一枚で張っていきます。

反対側も、同様に3本目を張っていきます。

頂上の棟部は、引っ張り過ぎないように、弛み過ぎないように、より慎重に。

棟がズレる箇所は、執拗なほど、‟立上り”に対する指示をします。(この箇所で、以前にどれだけ悩まされてきたことか。嫌々作業されないためにも、適正な金額を職人さんに支払い、問題なければ、翌日には、即支払いしているので、職方さんも、こちらの指摘を聞いてくれます)

こうした、もともと立上りが少なく入り組んだ箇所ほど、入念に検討しながら、一緒に施工。ゲリラ豪雨でも耐えられるように。

腕の良い職人さんでも、こちら(元請け)の気合い次第により、施工が多少異なるのが実態。それなら、最高の腕を振るってもらうのが、当社として、職人さんのプライドとして、結果、お客様のためになると信じて。

1日で、ルーフィング(タディスセルフ)を無事に張り終えましたが、

気が付くと、厳しく管理していたら、職人さん自ら、弛みを直して万全を期していました。

有難うございます。流石です。

このルーフィングを、手足で押し、コロニアルとの接着を促しましたが、次の日には、太陽の熱により、密着性が高まる性質なようで、確かに、もう剥がすことが出来ない状態で固定していました。

安いだけでない、屋根重ね葺き工事②】へとつづく・・・・